トスカーナ州にあるバーニョ・ヴィニョーニという村を特集いたします!
フィレンツェが州都のトスカーナ には意外と温泉保養地が多く点在しているんですが、古代ローマ人も愛した源泉が今でも湧き出る地。
日本ではまだ知られていない場所かもしれませんが、数年に1度は訪れるお気に入りの場所をご紹介いたします!
まずは村周辺のシチュエーションから
ユネスコ世界遺産のオルチャ渓谷にある村
ロケーションはイタリア中部トスカーナ州はシエナ県になります。
シエナから車で約1時間ほどローマ方面に南下すると世界中から美しいと絶賛されるVal d’orcia オルチャ渓谷というユネスコの世界遺産としても2004年より登録されている美しい地一帯。
穏やかな丘が連なった景色はただただ美しく人々を魅了してしまうほど。
この一帯は小麦やひまわり、オリーブなどが生産され、ワインで有名なモンタルチーノもオルチャ渓谷にある街ですよ。
欧米人の人気スポットとなっており、イタリア人だけではなく、ドイツ、スイス、フランスからはもちろんのこと、オランダ、イギリス、そしてアメリカからも観光客が訪れます。
オルチャ渓谷の中で有名な街はピエンツァです。このピエンツァから見るオルチャ渓谷の絶景はまるで絵に描いたような美しい風景。中世の街並みと融合して、自分が今どの時代に生きているのか錯覚してしまうようです。
そんな美しいトスカーナ の独特な田園景観をドライブしながら辿り着くのがバーニョ・ヴィニョーニなんです。
泉が広場のバーニョ・ヴィニョーニ
バーニョ・ヴィニョーニのバーニョはトイレや浴室など水につかること全般を意味する単語に、6世紀ごろにこの地を統治していたヴィニョーニ家の名前から村の名前になりました。
中世の時代は貴族やシエナの王族などが好んで通い、メディチ家が支配した頃は歴代のメディチ君主も多くの名だたる芸術家も足を運んだとされています。
村の中心の広場はなんとプール。
Piazza delle Sorgenti ピアッツァ・デッレ・ソルジェンテと言われ、訳せば「泉の広場」です。
長さ49mそして幅が29mの長方形のプール広場は1500年代に建設されました。
広場といえば人々が集まり、集会を開いたり、人々が情報交換するための場所のため学校の運動場のように広い敷地なのが普通なのですが、この村の場合はそれが温泉水で埋め尽くされているというとても特徴的な広場です。
今現在は見学のみですが、当時は村人もこの泉を利用していたとか。
映画ノスタルジアの舞台となり一躍有名に
世界で注目されるようになった要因として映画があります。
第36回カンヌ国際映画祭創造大賞を受賞した
1983年『ノスタルジア』(Nostalghia)の舞台になったのがこの泉の広場なんです。
(ロシアの映画監督アンドレイ・タルコフスキーが1983年にイタリアで製作したイタリア、ソ連合作映画)
今では、オルチャ渓谷巡りの観光スポットの一つとしても、そして温泉地でもありますからスパを楽しむ観光客もたくさん訪れます。
イタリアの保養温泉地は60カ所以上
イタリアの活火山で有名なのはEU最大標高であるシチリアのエトナ山です。
2021年にも6ヶ月以上噴火が活動が続いていました。火山があるということは温泉ももちろんあるわけなんですね。
イタリア全国には保養地として活用され温泉療法が受けられる保養温泉所は60箇所以上あります。 有名な温泉地などでも吸引療法などで、呼吸器系の疫病治療に対応されていたりします。
日本人の温泉旅行はイタリア人のスパを楽しむ感覚に近いのかもしれませんね。
オルチャ渓谷周辺地域は20~30万年前に火山🌋の爆発があったそうで温泉地が点在しています。
古くはエトルリア時代から、古代ローマ時代には温泉地として既に知られていました。
バーニョ・ヴィニョーニは天然温泉地
今現在の村の人口は約30人。とても小さな村ですが、広場周辺の建物はレストランやホテルになっており、村の周辺にもスパを完備したホテルが点在しています。
村には古代ローマ時代に活用されていたスパ施設の遺跡があります。
打たせ湯の場所もしっかりあり、昔の人々が温泉を楽しんでいたであろうことがすぐに想像できるくらいです。
これは、水車の公園(Parco dei Mulini)と言われる自然公園一帯まで繋がっていて、以前はその公園の一部で入浴をしていた地元の人もいたそうです。今現在は残念ながら禁止となっています。
この村周辺には町営温泉施設が1軒、そして源泉が楽しめるスパが完備されたホテルが2カ所あります。
筆者は広場に面した4星ホテルのスパで半日まったり楽しんできました。
源泉地にある<ラ・テルメ ホテル>のスパで満喫
テルメとは日本語で温泉のこと。こっちの温泉は日本のと違い、温泉プールです。
源泉はせっかく52度もあるのに、熱い湯につかって喜べる習慣がない民族なので37度前後に設定された温水プール。
日本の温泉みたいに熱めの湯に浸かって「はぁ~気持ちぃ~極楽の湯」という気分にはなれません。水着姿で男女混浴。ぬるめのお湯なので温水プールで楽しむスタイルです。
温泉プールサイドにはリクライニングチェアが40ほど並んでいて、貸出のバスローブや、タオル、スリッパや携帯などで席を確保して、プールに入っては横になって休憩を繰り返して楽しみます。
地下には男女別更衣室、ロマーナサウナ(古代ローマ式サウナ)、マッサージルームなどがありエステサービスもあります。 ロマーナサウナはスチームサウナです。
お湯の質は思ったより良くてツルツル。ぬるい湯ですが出たり入ったり、ある意味半身浴ができたので身体はポカポカになります。
ラ・テルメ内のスパは予約がマスト!
私が訪れたのはコロナの規制中のため予約人数の制限がありました。
完全予約制(ホテル宿泊者は無料ですが、サウナ使用も人数制限があるため要確認)
Le Terme Spa & Resorts
https://www.albergoleterme.it/en/
営業時間:
日曜ー木曜 9:00−19:30
金曜・土曜 9:00−23:45
日曜・祝日 9:00−23:45
大人:38ユーロ(バスローブ・タオルの貸出とビーチサンダル付き)
ただし、19:30以降の夜間料金は31ユーロ
h2 不思議な美しい景色
そして、一晩この村に滞在できて感動だったのが泉の広場の景色を朝・昼・晩と堪能できたこと!
夜は人の姿も全くなく、ただただ温水の流れる音が広場に響き渡り神秘的です。
そして早朝は広場の湯の色も変化します。
こんな美しい景観に1日中浸れて、いったい私はどこのどの時代にいるんだか⁉️訳がわからなくなりそうでした。
アクセス方法は車のみ
車:
ミラノから409km
フィレンツェから115km
ローマから175km
電車:
シエナからブォンコンヴェント(Buonconvento)で下車。(約30分)
Buonconvetoからは交通手段がないためタクシーまたはハイヤーでの移動となります。
ただ、Buonconventoは村のためタクシーがいない確立も。
無難なのはシエナ駅からタクシーまたはハイヤーでしか移動ができません。
ちなみにシエナから51km離れているため車でも約1時間かかります。
車での移動がマストになるので、レンタカーまたはハイヤー予約が必要になります。
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いかがでしたでしょうか? イタリアには素敵な場所が本当にたくさんありますね!
まだまだ筆者も知らない場所ばかりですが、みなさんに読んで楽しんでもらえるイタリア情報を目指したいと思います♡
最後までお読みいただきありがとうございました!