イタリア料理といえばオリーブオイルが欠かせませんが、日本でも当たり前のように家庭での料理で欠かせない1瓶になっていると思います。
筆者は主人のお父様からオリーブオイルの使い方を日常生活で教えてもらった他、イタリア各地のオリーブ畑やオリーブ搾油所へ見学に行ったり、オリーブオイル研究家からテイスティングを学んだりしたことがあります。
日本の醤油や味噌と同じくらいオリーブオイルも奥が深いですが、
今回は食卓で上手にオリーブオイルを使いこなして、美味しく、そして経済的な使い方をイタリアの習慣からいいとこどりしてみたいと思います!
健康効果の高い食用油としても評価されているオリーブオイルですが、
本場のイタリアでどのように愛用されているかを深堀してレポートしていきたいと思います!
美味しいオリーブオイルの定義とは?
これまでで1番美味しいと感動して忘れられなかったオリーブオイルは、トスカーナ州の友人のパーティーで同席していた人が自家製の搾りたてのオリーブオイルを差し入れに持ってきてくれたものでした。
それはまるで果肉ジュース。オイルと言うよりもオリーブを食べている感覚に近いほどオリーブの濃い緑色が鮮やかで、風味がしっかりしているものでした。
喉を通ればピリッと辛みを感じます。
香りも味も新鮮すぎて、料理に使うのがもったいないほどで、美味しいオリーブオイルを味わうのにトスカーナ の塩なしパンをカリカリにトーストしたのに塩とオリーブオイルで食べるのがご馳走と思うほどの衝撃でした!
オリーブオイルも10月ごろから収穫され、搾りたての香りもテイストもジューシーな1番美味しいのが11月と12月。一夏を超える頃には徐々に鮮度も落ちていき秋の収穫を待ち望むサイクルです。
色・風味・苦味などイタリアでも気候やオリーブの品種によって地域性があるのが特徴的!
約1800年間は小国同士の集まりだったイタリアは、各地域の強みを最大限に活用していたので、オリーブオイルの作り方も風土に合わせて全然違ってくるのが面白いんですよね~!
まずはイタリア国内でどんな違いがあるのかご紹介していきます!
オリーブの品種だけじゃない!イタリアのオリーブ産地の特徴とは?
地中海周辺のオリーブの歴史は6000年以上と言われています。
それぞれの地域の気候、気温、風土などの環境や オリーブの種類、そして育て方や収穫、搾り方など各地で本当に様々で驚きます。
イタリア国内でもオリーブオイルに適した地域は温暖な地中海性気候の海岸部、そして日照量を多く設計ができる丘の多い中部のトスカーナ州から南のシチリア州までが盛んです。
最近はオリーブの品種改良などで北イタリアでも湖水地方でも質の良いオリーブオイルの生産がなされるようになりました。
オリーブオイルもワインと同じように毎年の天候によって出来も変わります。
同じ年でも、地域によって降水量がオリーブの育成に適したり適さなかったりで収穫量もバラバラ。
毎年同じ質のものができるとは限りらないところがまたイタリア人にとっても楽しみの一つです。
オリーブの木にも地域によって特徴がある! 樹木や地域でも全然違うオリーブオイル
わかりやすい例をトスカーナ 州とプーリア 州でご紹介します。
まずはトスカーナ 。
画像はトスカーナ州らしい丘の斜面に、ワイン畑とオリーブ木がきれいに並び、平地にはひまわりが栽培されています。
オリーブは樹齢が20年~30年の若木で栽培するところが多いのが特徴で、背も低く効率よく収穫しやすく設計されているようです。 若木のオリーブはフレッシュさ、そして特有の苦味や喉を通るときにくるピリッとした辛みがくるのでしょう。
トスカーナ人はこの苦味と辛みが強ければ強いほど美味しいオリーブオイルと絶賛します。
そしてお次はプーリア州。
こちらはオリーブの木の大きさが明らかに違います。画像ので推定200年くらいでしょうか?
プーリア州は年中温暖で、日照量もトスカーナ と比べて断然豊富です。
どんなに大きな樹木でも燦々と太陽の日を浴びてスクスクとオリーブも育つことでしょう。
1000年は生きると言われるオリーブの木ですが、プーリア州では樹木100年~400年のオリーブ畑というか森を見ることができます。
プーリア人はトスカーナのようなオリーブオイルは好みません。 マイルドな口当たりもマイルドでオイル感を強調しない、軽いテイストだけれども香り高いものを質の良いオイルと評価します。
2つの地域でもこんなに差があるのでびっくりですよね!
イタリア以外の国では、特にヨーロッパやアメリカではマイルドなオリーブオイルが好まれるそうです。 トスカーナ産のはパンチがあるので、普段のお料理に使う時にはレシピは選んだ方が良さそうですね。
オリーブオイルはエキストラバージンオイルがおすすめ
美味しいオリーブオイルといえば、”エキストラバージン”ですが、今回はこのエキストラバージンを基準としてご紹介していきます。
ご存知の方が多いと思いますが、エキストラバージンとは高熱処理をせず、化学溶剤を使わずに搾って濾過し、酸度が0,8以下と定めれられたものです。
イタリアのスーパーでは、食用油コーナーの約8割がオリーブオイルで、他の2割がナタネ油やサラダ油などが並んでいます。
オリーブオイルの棚はほとんどがエキストラバージンオリーブオイルで、様々なメーカーのものが並びます。
イタリアでのオリーブオイルはエキストラバージンが基本と思っていただいてOKです。
賢く上手にオリーブオイルを使いこなそう!
ここまでで、オリーブオイルのポイントをおさらいしてみましょう!
・イタリア産のオリーブオイルでも地域によってテイストが違うこと。
・鮮度も美味しさに関わってくること。
・毎年オリーブオイルの出来が違うこと。
これらを参考にしてイタリア人から学ぶオリーブオイルの使い方をご紹介しますね。
デパートで、スーパーでコスパ最強のオリーブオイルの使い分け方。
イタリアではスーパーで購入するオリーブオイルを調理用に使い、料理の仕上げやサラダなど”生”で使うオリーブオイルは生産地の直売所で購入するという方が結構います。
特にミラノには、地方に家族や親戚、別荘を所有しているイタリア人がほとんど。
生で食べるオリーブオイルは地元の美味しいオリーブオイルを1年分仕入れているという人も少なくありません。
高級食材店やこだわりの専門店などに行って購入するものは、加熱するのがもったいないのでこちらも生で使いたいところです。
と、いうことで日本でもイタリア流のオリーブオイルの使い分けをやってみるのも手だと思います!
スーパーやカルディで気軽に購入できるエキストラバージンは調理用に利用し、デパートで販売されている高級なオリーブオイルの場合は、生で利用する専門にする。
加熱調理するのにデパートの高いオリーブオイルはもったいないですし
カルパッチョやパンには上質のオリーブオイルを使うと美味しさがグッと上がります。
デパートでぜひチェックして欲しいのは賞味期限!新鮮であればあるほど酸化もされていないので栄養価も高いままですし鮮度がいいでしょう。
イタリアフェアなどで、ぜひオリーブオイルをテイスティングしてみるのもおすすめです!
自分好みの味を見つけてから購入すれば、家での料理がもっと楽しくなりますし、なによりも
レシピにも幅が出てくると思います。
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いかがでしたでしょうか?
美味しくオリーブオイルを楽しみたい方に、イタリア人のオリーブオイルの使いこなし方が少しでも参考になっていただければ嬉しいです!
最後までお読みいただきありがとうございました!