ミラノから車で1時間ほどでショートトリップのできるおすすめの場所にコモ市があります。コモ市から湖を眺めたり、チェントロ(歴史的市街地)の散策を楽しむプランであれば、ミラノから電車での日帰りも可能です。
ただ、ここにくればコモ湖はみた!っていう訳ではないんですよねぇ。
本当は1、2泊してコモ湖を周遊してもらうと、コモ湖の素晴らしい全貌がご覧いただけるんですよ〜。ぜひ湖に点在するベッラージョやヴァレンナの街、そしてコモ湖の最高の景観も楽しめるヴィラへの見学などしながらリゾート地を楽しんで欲しいです♡
コロナちゃんの影響で観光客はガックリ減りましたが、ドイツ人でコモ湖ファンは定着していて、車でドイツからイタリア入りしてバカンスを楽しんでいる方も多いですよ。オランダ人、イギリス人、フランス人などヨーロッパ各地からバカンスに来る憧れのリゾート地です。
今回はそんな美しいコモ湖をご紹介いたします!
コモ湖について
コモ湖は逆のY字(漢字だと人)の形状の湖で、南西端にコモ市があります。最北端まで全長が46kmあり、幅も一番広いところは4.3kmになります。面積は146km2。イタリア国内で3番目に大きい湖。 琵琶湖が670km2なので、約5分の1の広さです。
古代ローマ時代にはすでに避暑地、そして古代ローマの軍人たちも、ドイツやスイスに向かう途中にこの地を中継地点にしていたとか、古代ローマ時代の遺跡も残っている場所もあります。
古代ローマ兵もコモ湖を通過する際は馬も人も船に乗り込んで移動ができました。水の上だと敵の侵入も心配しないで動けるので、長い旅路の休息ができるひとときだったとか。
歴史を辿っていくと、1400年代はペストの流行で人口が3分の1になったのはコモ湖周辺も同じです。 そして、1500年代からは、イタリアの豊かさ欲しさにスペイン軍やフランス軍が戦争を仕掛けて北イタリアを占領していきます。
この時代コモ周辺は豊富な自然に蚕を大量に生産することに成功し、絹の産業が栄えていました。そして自然の美しさに魅了されて、イタリア人の音楽家、ヨーロッパ中の小説家などあらゆる人々がこの美しさを一眼見ようと集まる地となっていきました。
1600年代以降は、北イタリアで権力のある政治家、宗教家などイタリア人だけではなく、オーストリア人やドイツ人もこぞって湖畔ヴィラがあちらこちらに建てられます。
コモ湖にはソフィア・ローレンやジョージ・クルーニー、ヴァージン・グループ会長のリチャード・ブランソン、そのほか世界の富豪や著名人が湖畔のプライベート・ヴィラを所有していますが、推定数億~数十億と言われています。
コモ湖は冬はとても寒く、かといってスキーのできる場所でもないので11月から3月の期間、ホテルやレストランはほとんどが閉業していてまさに避暑地です。
コモ湖の魅力は湖からの眺め!
コモ湖はただ湖をみてキレイですね!という場所じゃあございません。笑
コモ湖らしい魅力は湖畔に転々と連なっているヴィラの豪華さや、2500m以上の山々が連なるアルプス山脈と湖のコントラストが楽しめるその景観です。
イタリア環境基金の文化遺産として登録されたヴィラや一般公開されているヴィラもいくつもありますので、ぜひ訪れて内観や湖の景色を楽しんだり、湖に船に乗ってみる景色とヴィラの外観も観賞して楽しんでこそのコモ湖観光だと思います!
車でコモ市からコモ湖の中間地点にあるコモ湖の中で最も景観の美しいトレメッゾという街を目指して走らせること約30分。コモ湖をずっと眺めながらのドライブは本当に気持ちがいいです。美しい湖の景観が続くので飽きません。
ただ、対向車線との距離がとても狭くて運転がとても大変でバスやトラックとすれ違うときは道路が狭すぎてブロックすることなんてよくあること。苦笑
8月はとくに混んでいるため、ブロックすればすぐ渋滞します。
そしてお目当ての美しいヴィラ は車からは残念ながら全く見えません。泣
ヴィラは大きな塀で覆われているか、大きな木に囲まれていたりしっかりガードされているので道路側から見ても全くわからない構造なってます。もはや手品です。笑
ボートや船に乗って遊覧すると、まさか素敵なヴィラ がこんな場所にあるなんてとびっくりするほど。車で通った景色との違いに驚いてしまいます。
コモ湖めぐりは残念ながら徒歩は厳しく、車をレンタルしたとしても“湖渡”は必須。
うまく周遊船を使って動かないと身動きがとれません。フェリーのように車も移動できるタイプの船と人の乗船のみ可能な遊覧船が行き来しているので、上手にスケジュールを組まないとなかなか大変です。
おすすめの時期は6月から9月。
そして、コモ湖はアルプル山脈の末端であることは覚えていてくださいね。アルプス山脈の気候の変化は厳しく、そして激しいです。8月であっても天候が悪ければ15度になる時だってあります。天気予報は必ずチェックしてしっかりと防寒対策をしてお出かけください♡
コモ湖でおすすめの街トップ3とヴィラのトップ3
ぜひ立ち寄って欲しいおすすめの3つの街と、見学可能なヴィラがトップ3をご紹介していきます!
これを制覇したらあなたはコモ湖マスターです!笑
*地図の引用元:Provincia di Como
おすすめの街
Como コモ市
Bellagio ベッラージョ
Varenna ヴァレンナ
おすすめのヴィラ
Villa Balbianello ヴィッラ・バルビアネッロ
Villa Carlotta ヴィッラ・カルロッタ
Villa Melzi ヴィッラ・メルツィ
では、詳しく説明していきますね。
コモ市
ミラノからも電車で1時間ほどで着くコモ市。人口は約十万人弱。
スイスとの国境に最も近い都市。チェントロ(歴史的市街地)は1770年に完成されたドゥオーモを中心に中世の街並みが美しい街です。
一時は絹産業も衰退していましたが、最先端の技術を駆使して高級ブランドのシルクの小物関連はほとんどここで生産されているそうですよ。(ヘルメスのスカーフはメイド・イン・コモです。)
街にシルク製品を売っているお店もあるのでお土産を探すのもいいですね。ネクタイやスカーフなど素敵なデザインと色合いのものがたくさん陳列しています。
1936年にジュゼッペ・テッラーニによって建てられたモダン建築コモ市役所も建築好きの方には必見。
フニクラも楽しい!
そして、お天気のいい日はぜひフニクラで標高720mまで登るのも楽しいと思います♪
山頂からはアルプス山脈で2番目に高いMonte Rosaモンテ・ローザ(4,634m)も見れるかも?
コモ市街も一望できますよ!
このフニクラは所要時間も約20分程度、一般市民の足にもなっているので、「昨日うちの近くに猪が出たよ!」「うっそ~!怖い。」なんて会話も聞こえてきます。笑
Funicolare Como – Brunate フニコラーレ コモ〜ブルナーテ間
アドレス:piaza Alcide de Gasperi, 4
15分毎に運行。片道3ユーロ、往復5,30ユーロ
funicolarecomo.it
ベッラージョ
コモ湖の分岐地点にあるベッラッジョは一押しの観光スポットです。小さい街なので見学もしやすいです。
この街からは北のモンブラン方面に連なっているアルプス山脈とコモ湖の両方が一度に観賞できて、完璧なフォトジェニックにうっとりします。
ちなみにこのページのブログ3枚目の画像はまさにこのベッラージョから見る景色です。アルプス山脈の迫力とともに美しいですね!
ベッラージョにお立ち寄りの際はランチかカフェをして、後ほどご紹介するヴィッラ・メルツィを巡れば完璧です!笑
ヴァレンナ
ヴァレンナはコモ湖東側に位置するこれまた小さな漁村的な街です。ベラッジョの優雅なリゾート地とは一変して、とても庶民的で生活感があってほっこりします。
湖を挟んでわずか2kmほどの距離しかないヴァレンナとベッラージョの雰囲気の違いがとても新鮮で愛着が湧きますよ。レストランやカフェもカジュアルに気軽に立ち寄れるところが多いです。
湖畔に散歩道があるのですが、ここを歩くだけでも本当に心が穏やかになるといいますか。とても可愛い街ですよ♪
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ではヴィラを3つご紹介していきましょう!
ヴィッラ・バルビアネッロ
建設は1787年。
外観も内観も息を飲む美しさにイタリア人も絶句するヴィラです。
レンノという街からヴィラに行くルートは2通り。ハイキングのようにクネクネした山道を20分ほど歩き続けてたどり着くか、専用ボートに乗り付けて渡るかのどちらかです。
山道からいく歩道は山女にはへっちゃらなルートですが、何も知らない人がヒールで砂利道を歩くのは大変なのでスニーカーがベストです!
ヴィラにたどりつくとそこは別世界。映画の世界のような壮大なヴィラ が目の前に現れ、庭も綺麗に手入れされていてベンチに座るだけでコモ にきて良かったと思ってしまう場所です。
映画のロケ地としても有名で、1つはスターウォーズの エピソード2 クローンの攻撃(2002)
そしてもう1つは007のカジノ・ロワイアル(2006)のシーンに使われています。
休館日は主に毎週月曜と水曜(祝日を除く)、開館時間10~18時(ただじ入館は17時まで)
2021年はコロナの影響で事前予約制です。
入場料:大人11ユーロ
オフィシャルHP:https://www.fondoambiente.it/luoghi/villa-del-balbianello
ヴィッラ・カルロッタ
建設は1600年後期。
こちらも美しいヴィラとヴィラから眺めるコモ湖の美しさに絶句します。
ただ、ここの名物はそれだけじゃなんですよ。ここの庭園がこれまた美しくて世界でも有名です。
1850年プロイセン王子とオランダ王女マリアンネの娘であるベルリン生まれのシャルロッテ(イタリア語でカルロッタ)が当時公子であったゲオルク2世と結婚した際、母親がこのヴィラをプレゼントして以来ヴィッラ・カルロッタと名づけられています。
このゲオルク2世が庭の手入れにも拘っていき、世界中の珍しい植物を集めるようになって植物園化されました。
一角はアジアンブースとでも言いましょうか。当時は珍しい竹(バンブー)も植えられて綺麗な竹林コーナーもあります。ヴィラ の総面積は7ヘクタールと相当な広さなので、庭師は年中大忙しですね。
春には鮮やかな色のアザレアがヴィラから溢れ咲きいています。車からでも見れるので毎年ここのアザレアを見るとコモ湖のシーズンに入ったなと思わせてくれます。
隣には5星ホテル Grand Hotel Tremezzoグラン・ホテル・トレメッツォがあり、湖の向こう岸にベッラージョも見える美しいロケーションです。
2021年4月1日現在、コロナ禍のため閉業中
入場料:大人12ユーロ
オフィシャルHP:https://www.villacarlotta.it/
ヴィッラ・メルツィ
ちょうどヴィッラ・カルロッタを湖を挟んで向かい合っているところに位置するヴィラはベッラージョにあります。画像にはヴィッラ・カルロッタが向こう岸のちょうど真正面に写ってます。
1808年にフランチェスコ・メルツィ・デリル公爵が建設しました。ナポレオンが建国したイタリア王国の副王にも就任した、時の権力者が建てただけあり、その当時名を馳せた芸術家たちに調度品を作らせた贅沢さ。
庭はイギリススタイルを採用し、庭の彫刻品も当時の有名な彫刻家に作らせています。
今では250種類もの椿が庭園の至るところに咲くことで有名です。世界中から取り寄せた大変珍しい種類の椿もあるそうですよ!メルツィ公も椿をお気に入りだったとか。
ベッラージョからは徒歩で7分で行けるのでお散歩コースにバッチリです。夏は手入れの行き届いた芝生をリスたちが走りまわっているのが見れるかもしれませんね。
ヴィラは3月から10月まで開館
開場時間: 09:30~18:30 入館は17時まで
入場料:大人8ユーロ
オフィシャルHP:https://giardinidivillamelzi.it/
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いかがでしたか? コモ湖の魅力が少しでも伝わっていただけたら嬉しいです。
次回はコモへのアクセス方法などご紹介します! 最後までお付き合いいただきありがとうございました♡