イタリアの朝ごはんは<カプチーノとブリオッシュ>が定番なのですが、この<ブリオッシュ>の部分が各地域で意外と違いがあったりします。
今回は各地のご当地定番モーニングでどんな違いがあるのか、今回は5つの州からオリジナルレシピを選んでご紹介いたします!
まずはブリオッシュ(コルネット)の定義から
そもそもブリオッシュ(BriocheまたはBriosciaと書く)はフランス語です。菓子パンという意味で北イタリアの朝はブリオッシュというのが定番。そして中央から南イタリアはコルネット(Cornetto)と呼んでいます。
ただ、正確にみてみるとフランスのブリオッシュの定義に沿ったブリオッシュのレシピはシチリアの定番ブリオッシュでふわふわ、北イタリアで呼ばれているブリオッシュはレシピや生地は限りなくクロワッサンに見えます。
一方、コルネットは小さい角という意味で、ちょうど三日月型になっているフォームが動物の角の形と重なることからこの名前で呼ばれます。 どちらの呼び方も指しているのは同じものです。笑
フランスのクロワッサンとの大きな違いはバター。イタリアのバターと比べるとフランスのバターは風味がとにかくしっかりしていてイタリアバターはもっとライトなので、出来上がりが違ってきます。
生地もイタリアのは生地が空包が大きくてふわふわ系なので、正式には見た目はクロワッサンだけど、フランス式ブリオッシュの仲間の方に近いのでしょう・・・。
とうことで、イタリア式クロワッサンの呼び名は北は<ブリオッシュ>、南は<コルネット>と思っていただければ♪
バールの朝カフェはカプチーノとブリオッシュが定番
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実はカプチーノとブリオッシュの組み合わせは、家庭では意外とやらないです。なぜなら、あのクリーミーでふわふわのカプチーノはやはり自宅では難しい。カプチーノ用ミルク泡立て器を利用したとしても、やはりバールでプロが作ってくれるカプチーノと出来が違います。
そして、ブリオッシュもパッケージで市販はされていますが本当に美味しいブリオッシュは朝から出来立てで売っているあの外はサクッと、なかはフワッのやつですよね。ベーカリーで買うか、バールでカプチーノと一緒に食べるかになります。
ブリオッシュの中は、プレーン・各種ジャム・チョコレートクリーム・カスタードクリームなどが種類は豊富にあります。
通勤前のビジネスマンやOLが、バールのカウンターでエネルギー補給に、テーブル席では打ち合わせや学生が朝カフェタイムを楽しみます。
地方によっては、この朝の定番カフェでオリジナルレシピがある地域がいくつかあるんです。
そこで、イタリアの南から北まで、どんなご当地朝カフェなのか今回は5つの州からご紹介させてください〜!
まずは1番衝撃のシチリアからスタートしていきましょう!
夏のシチリア州:グラニータ&ブリオッシュで究極の朝カフェ
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シチリアに行ったら絶対に試してほしい夏の定番朝カフェ!
嘘でしょ?と思うくらいの組み合わせです。コーヒーではなく、グラニータ(Granita イタリア式かき氷)にお団子付きブリオッシュ(Brioche col tuppoブリオッシュ・コル・トゥッポ)を浸しながら食べるというもの。
グラニータは味付けされたシロップを凍らせたものを砕いたかき氷で、レモンやアーモンドミルク、ピスタチオペーストなどシチリア名産の味がほとんどです。
ご紹介している方のはピスタチオのグラニータにパンナ(生クリーム)が盛られた超贅沢な朝ごはんになっています。笑
私も最初は朝から、ブリオッシュをかき氷に浸して食べるなんてどうかしてる!と思ってたんですが、実際にシチリアの朝カフェで食べたらものすごーく美味しくて納得しました。笑
シチリアの夏は朝から灼熱。冷たい飲み物がすっきり涼しい気分にしてくれ、そこにシチリアのお団子ブリオッシュをチョンチョン浸して食べると、意外や意外!これがとっても相性抜群。
見た目と違ってお団子ブリオッシュもとっても柔かく、軽くて、ふわふわ。甘さも控えめなので、グラニータと合わせた時にいい塩梅の甘さになってとっても美味しかったです。 ちなみに、お団子のtuppo(トゥッポ)は辞書にはないので方言っぽいですね。
3時のティータイムにこそピッタリなスイーツと思っちゃいますが、シチリアのお昼の3時は暑すぎて外にいると熱中症になるため家の中で静かに過ごすのがベスト。やはりご当地では朝カフェにぴったりなセットなのでした。
ちなみに夏以外は普通にカプチーノとお団子ブリオッシュだそうです。
カンパーニア州:スフォリアテッラのバリバリ感がたまらない
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アマルフィの老舗ペストリーPansaパンサのスフォリアテッラ
ナポリが州都のカンパーニア州。アマルフィ海岸地域が発祥の地とされているスフォリアテッラ(Sfogliatella)です。
なんでも1600年代、アマルフィ海岸地域にあった修道院で、尼僧が傷みそうなセモリナ粉を工夫して生まれたお菓子と言われています。それから改良されて、
1800年代にはナポリへも進出しその時に今のような貝殻の形へとなったそう。
ナポリの朝ごはんの代名詞にもなっていますが、普通にスイーツとしてイタリア中でも食べられます。
パリパリのパイ生地を何重にも巻き巻きにしたスフォリアテッラ(パイ生地重ね)の中は、これまたご当地らしい食材のレーズンやレモンチェッロ、リコッタチーズクリームが使われます。
ラーツィオ州:マリトッツォも朝カフェで
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ローマのド定番マリトッツォで朝カフェ
ローマはラツィオ州にあります。 日本でも流行っているあの菓子パンに生クリームたっぷりのあれです!マリトッツォ!
迫力があるのでコッテリ重そうな見た目ですが、パンの生地が甘さ控えめ。とっても軽くふわふわなので意外と食べれるのがマリトッツォマジックですね!
ルーツは古代ローマ時代と言われ、今のように生クリームがてんこ盛りに盛られるようになったのは産業革命後なんだとか。(機械化で生クリームが豊富に生産できるようになった)
マリートとは夫の意味で、その昔3月の第一金曜日に求婚したい女性にプロポーズする際に結婚指輪が入っているマリトッツォを渡したとかいう説や、また違う時代ではマリトッツォを上手に作る女性を妻に選んだ説など、イタリアらしく微笑ましい諸説がある「夫」に因んだお菓子がマリトッツォ。
エピソードも面白いですが、てんこ盛りの生クリームでモーニングなんて朝からテンション上がりますね!笑
リグーリア州:朝に塩味のフォカッチャが定番!
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フォッカッチャをカプチーノに浸して食べるのがリグーリア風の朝食
リグーリア州は、フランスニースへと繋がるコートダジュールのイタリアサイドにある州です。イタリア語ではコスタ・アズッラ(Costa Azzurra)と呼ぶ地域。
州都はジェノバで北イタリアに位置してますが、地中海気候に恵まれ、海の綺麗な州です。
朝ごはんは、シンプルにフォカッチャが登場してきました。方言ではフガッサ(Fugassa)と言うそう。
このフォカッチャは全然甘くないです。 平たいパンはオリーブオイルそして岩塩で味付けされていて、イタリアではおつまみやパンと一緒に出されるものなので、他の地域のイタリア人からするとすごく珍しい食べ方です。 塩味のパンをカプチーノに浸して食べる・・・。
リグーリア人にとってはド定番ならしく、他の州からは変に感じても、地元ではフォッカッチャLove派が圧倒的。笑 ところ変わればですね!
トレンティーノ/アルト・アーディジェ州:渦巻パイのストゥルーデル
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オーストリア領時代が長かった名残が残るレシピ
イタリア語ではストュルーデル、オリジナルのオーストリア料理ではシュトゥルーデルで有名なお菓子です。 今ではオーストリアとの国境に位置する、アルプル山脈がこの州のほとんどを占めているスキーリゾートで有名な州です。りんごの産地としても有名で、元々伝統的なデザートですが、この州の定番朝ごはんとしても大活躍です。
りんごとたっぷりのシナモン、そして松の実やくるみ、レーズンなどが入っていているので朝食としては他の州と比較すると栄養バランスが取れているレシピですね!
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いかがでしたか? イタリア定番のカプチーノ&ブリオッシュ以外にも地域によっては色々な朝食がありましたね!
もし、今回ご紹介した地域へ行かれる際はぜひご当地の朝食もチェックしてみてください。
この度も最後までお読みいただきありがとうございました!