スターバックスのイタリア進出は2018年9月、第一号店としてミラノに世界で7店舗しかないリザーブロースタリー店をオープン。
イタリアのメディアでは「コーヒーの神殿」とまで報道され話題沸騰!コロナ前までは行列も当たり前で入店するのが難しかったほどです。
今回の特集は、ヨーロッパに唯一のスタバ最高級リザーブロースタリーをなぜミラノにオープンさせたのか。そして店舗のあらゆるところがメイドインイタリーにこだわったデザインなどについてご紹介していきたいと思います♡
リザーブロースタリーミラノ店の建物は築120年!
店内は2300mqの広さで、この広さは日本のリザーブロースタリー中目黒店<地上4階、地下1階。約3000mq>の1階分少ない面積くらいでしょうか。
ミラノのど真ん中にある大聖堂ドゥオーモと、ミラノ王国のシンボルスフォルツェスコ城のちょうど中間位置にあるので、観光客にもミラネーゼにも凄く便利な好立地。
建物自体もミラノでも歴史のある建物なんですよ♡
元々の正式名称は パラッツォ・ブロッジPalazzo Broggiと呼ばれ、1901年にミラノ証券取引所として建てられました。
1932年にはミラノ中央郵便局が移転し、パラッツォ・デッレ・ポステPalazzo delle Poste ”郵便ご殿” と呼ばれて親しまれていました。
郵便局は移転し、2018年9月よりリニューアルしてスタバリザーブロースタリー・ミラノ店へ一変しました。
私も日本へ荷物を郵送するときなど、よくここの中央郵便局にはお世話になっていたので、まさかスタバに変わるとは本当に驚きました!
スタバの成功はイタリアのおかげ?イタリアへ恩返しを込めてのミラノ一号店オープン秘話
名誉会長ハワード・シュルツ氏は、当時4店舗しかなかった地元のコーヒーショップを世界各地に展開して約33000店舗まで拡大させた育ての親ですが、彼の長年の夢はイタリアにお店をオープンさせることだったとか。
社員としてスターバックスに入社後、初めてミラノに旅行した際にイタリアのコーヒー文化に衝撃を受けました。
イタリアのエスプレッソコーヒーそのものの味はもちろんですが、バール(イタリアのカフェテリア)のシステムもアメリカの当時のスタイルとは全く違っていました。
バールに立ち寄り、カウンターでカプチーノとクロワッサンを食べて出勤していくイタリア人を見て、ビジネス展開のヒントを得ます。
こうしてインスパイアされて自国に持ち帰り、スターバックスを買収した後、今では当たり前の「カウンターでお会計」と、「コーヒーをカウンターで受け取る」システムを構築し、イタリアン・エスプレッソを取り入れた世に言う”シアトルスタイル”が確立されました。
エスプレッソもシステムも全てはイタリアのコーヒー文化からヒントを得たというシュルツ氏は、どうしてもイタリアにスターバックスのお店を出したいと20年ほど夢を描いていたそうです。
イタリアへ恩返しの気持ちを込めて、スタバの最高のものを提供して雇用やビジネスで貢献したいと念願のオープンに至りました。
内装は全てメイドインイタリーという徹底ぶり!
内装デザインはスターバックス社チーフデザインオフィサーのリズ・ミュラー氏です。(日本のリザーブロースタリー中目黒店の建物の設計と外観デザインは日本を代表する建築家の隈研吾氏、内装デザインはミュラー氏が担当されています。)
ミラノ店でのこだわりはなんといっても全てメイド・イン・イタリーの内装です!では早速みてみましょう!
バーカウンターの大理石はカッラーラ産
バーカウンターに使われているのは丸ごと大理石で長さは10m!イタリアの産地カッラーラの天然もので特注で削られていてつぎはぎのない無垢1点ものです。
このカウンターの大理石だけでなんと30トンもあるそうですよ!
照明はヴェネツィアガラス、床はヴェネツィア式製法
照明に利用されているガラスはムラーノ島で作られたヴェネツィアンガラス、そして床材はイタリアの伝統的なヴェネツィア スタイルのパッラディアーナ手法を採用しています。機械ではなくて伝統的な手法でしかできない職人技が必要なんですって。
ちなみにこの床はいろんな色の大理石が敷き詰められていますが、薄いピンク色の大理石は地元ロンバルディア州産のもので、ミラノのドゥオーモ(大聖堂)と全く同じ種類のものを利用しているとわざわざ店員さんが教えてくれました♪
椅子やデーブルもイタリアトップメーカーへ特注
そして木材をベースにしたカウンターや店内のテーブルや椅子などはイタリア家具トップブランドのカッシーナの技術協力で全てオリジナルで作られています。
デザインはスタバ社のチームが施行していますが、ミラノ在住のデザイン界のスターであるパトリシア・ウルキオラ氏からアドバイスを受けながら完成したとか。
カッシーナの製品ってイタリアデザイン界でもトップです。そんな高級家具を陳列していたんですね!
シーリングライトもイタリアの職人技のこだわりで
天井のシーリングライトもイタリアのAtena社が施工しており、シーリングライトの技術でここまで工夫を凝らしての制作はAtena社にとっても挑戦だったそうですよ。 イタリアの伝統技術を用いながら職人技でしかできないことにプラスして最新の技術を融合させた天井も必見ですね!
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イタリアの地域性も尊重されたデザインばかりでしたね!アルチザンの職人技でしか完成しないものばかりの内装は想像以上にこだわりがあることを知って驚きました!
内装だけじゃない<デザイン>の並ぶフロアの見どころ
フロアにはロースタリーオリジナル商品と別にミラノらしい特別なデザインに特化したアイテムが並びます!
イタリアンスクーターVespaとのコラボデザイン
イタリア人にとって、スクーターといえばヴェスパ Vespaなんですが、シアトルのタトゥーアーティスト カイラー・マーツがスタバの女神サイレンをデザインしたオリジナルです!
イタリア人デザイナーによるセイレーン像のオブジェ
イタリア人デザイナー マッテーオ・チービック氏が開店オープン記念に制作したスタバのロゴ<ギリシャ神話セイレーン像>のオブジェ。4500ユーロ(10体限定販売)
そして、チービック氏がギリシャ神話でセイレーンといえばオデュッセイウスなのでと、パロディーにしたものが画像の左下ににある像。 400ユーロ(100体限定)
どちらも陶器にゴールド24Kがコーティングされた豪華な仕上がりです。
ミラノサローネで発表されたデザイン界スターとのコラボ
トップブランドのデザインを手がけ、世界中のデザイナーが注目する家具ブランドmoooiモーイの創設者&デザイナーでもあるワンダース氏が、2019年度のミラノサローネで発表したスタバとのコラボデザインです。
不思議の国のアリスから発想を得たイルージョン・オブ・タイムと題して、新しいコーヒータイムの提案をしています。
画像左サイドの4点:
The One Minute Bunny ウサギのオブジェは陶器にゴールド24kコーティング 1600ユーロ
The Sandman hourglass 砂時計4分用1600ユーロ
The Diva Bell 鐘 450ユーロ
The Night Watcher candleholder キャンドル 400ユーロ
画像中央:
The Mad Tamper コーヒー豆叩き
The Queen’s Scarf スカーフ
The Tick Tock Keychain キーホルダー
デザインコラボ商品は250個または500個の限定で販売中!
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イタリアの職人技、イタリア産の大理石、イタリアメーカーの技術がギュッと詰まった空間に、デザインは実用性よりもファンタジー、デザイナーは機能性ではなくスターバックスの世界観を表現していて、デザインの街ミラノらしい独創的なものでいっぱいでした。
ぜひ、観光やビジネスの休憩時足を運んで一休みをしながらイタリアのデザインにも触れてみてください♪
次号では、お土産にぴったりのリザーブロースタリーミラノ店で売られているオリジナルグッズを紹介していきます! 最後までお読みいただきありがとうございました♡