前回のブログにて、イタリア各地の珍しい朝食をご紹介しました。
イタリアのバールで朝食を!ご当地朝ごはん定番オリジナル5選 タイトルの通り、バール=カフェテリアでのイタリア朝食についてのトピックです。
イタリアも日本と同じように家庭での朝食スタイルも変わってきてます。
今回は、イタリアの朝食事情から、データもちょっと集めて
<どうしてイタリアの朝ごはんがこんなに甘いものばっかりなのか?>
まとめてご紹介しようと思います!
旅行中の朝ごはんに役に立つ記事というよりは、イタリア人の私生活をデータで分析しておりますので、読み物としてお付き合いいただければ嬉しいです♪
イタリアの朝食事情① 戦前〜今日まで メニューの移り変わり
イタリアの媒体で朝ごはんについての約100年の歴史を綴った面白い記事を見つけたので皆さんにシェアさせてくださいね。
引用元: イタリアTop2の大手新聞会社が発行している週刊雑誌(新聞に付録されている)
Io Donna(イーオ・ドンナ)より
https://www.iodonna.it/speciali/2015/colazione-mattino-entusiasmo/storia-della-colazione-in-italia-50275937909.shtml
1910年代〜1950年代のイタリア朝ごはん
第1、2世界大戦中から終戦直後時代の朝ごはんの傾向は、晩ご飯の残りものを食べていたそう。
当時はイタリアでもスイーツは高級なもの。特別な日ではないとケーキなどのようなお菓子は食べれなかったそう。
朝ごはんは前日のディナーで残った、サラミ、燻製の魚、チーズやパンなどを起床後に食べるのではなく、出勤後の朝11、12時ごろに食べて、そのまま夕方まで働いていたそうです。
100年前は、戦争中で貧困でもあったでしょうから1日2食だったようですね!
そして、戦後から高度経済成長と共に朝ごはんのスタイルがガラッと変わります。
1960年代
ミルクとコーヒーに、ビスケットやクロワッサン、バターやジャムにヨーグルトが一般家庭に登場。
そして決定的に甘い朝食傾向になった起爆剤が、1964年にヌテラ(イタリア産チョコクリーム)でした。
これでベビーブームだった時代の子供たちがヌテラの朝食に飛びつき、甘い朝ごはんの需要が一気に拡大。
1970年代
ラスク(砂糖なし)にジャムを塗って食べることがビスケットやクロワッサンよりもヘルシーとブームに。ヨーグルトの需要も増加。
1980年代
世界的にミューズリーなどを含むシリアル全般が”体にいい”とブームになり、この頃から朝食用食品のCMも急上昇。 スイーツ系の朝食が定着。
1990年代
ダイエット思考でスリムボディーを謳うようになり、砂糖なし、カロリーオフ、脂質率オフなどの食品が出回ります。
ヘルシー思考のイタリア人にとっては<カプチーノとブリオッシュ>の組み合わせは、カロリーも高く脂質も多いのでダイエットには不向きと考える傾向も。
毎日朝からこのメニューだと太っちゃう、、、と、気にしている人も年々増えているようです。美味しいから、わかっちゃいるけどやめられない傾向もありますが。笑
2000年以降
朝食のバリエーションが幅広くなり、フツーツにドライフルーツなどもプラスされて栄養バランスも医師達の呼びかけで改善の傾向にあります。
コーヒー文化のイタリアでも紅茶や緑茶、ハーブティーで朝食を摂る人も徐々に増加傾向に。
イタリア朝食の傾向まとめ
戦後から急に朝食で甘いものを摂るようになったことがわかりました。
時代背景をこうして読んでいくと、元々1日2食の傾向から、+エクストラ的に朝食を摂るようになったのでしょうね。昔からの慣習で、1番大事にしている食事は夕食であることがわかります。
朝ごはんは経済が豊かになり、贅沢に朝食を摂る余裕が生まれてきた=贅沢な砂糖も摂取が可能になった。
このことから、そもそも朝から料理する習慣がないため、ビスコッティやジャムやヨーグルトなど調理しないでコーヒーのお供に食べるものとして甘いものを選ぶ傾向にあったようですね。
せっかくなので最近の朝食の傾向もデータであるのでついでに見てみましょう。
イタリアの朝食事情② イタリア人の朝食に関するデータ
今回データは、YouGovよりリサーチ(2019年)を引用いたしました。
https://it.yougov.com/news/2019/01/29/La-colazione-degli-italiani/
18歳以上 979人の回答より
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朝ごはんは食べる? ー 毎日85%、時々11%、なし4%
どこで食べる? ー 家で84%、バールで11%
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朝食のドリンクは? :
コーヒー派 ー 62%
ミルク派 ー 38%
カプチーノ・カフェオレ派 ー 29%
フレッシュジュースもしくは果汁ドリンクを飲む ー 27%
紅茶派 ー 23%
水 ー 19%
ハーブティ派 ー 6%
ベジタブル系ミルク ー 5%
スムージー派 ー 4%
アロマウォーター派 ー 2% (レモン水など)
その他 ー 3%
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朝食は 甘党?塩党? :
甘党・やや甘党 ー 79%
半甘・半塩党 ー 14%
やや塩党・塩党 ー 7%
コンチネンタルブレックファースト的なホテルで提供されるような
朝ごはんを好まれる方が一部にいるようですね。
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朝食時間 :
平日 ー 13分
週末 ー 18分
やはり甘いスイーツ系のものを朝ごはんに食べる人がダントツですね。
イタリアのドクター達が推奨する朝ごはんは?
イタリアのHumanitas メディカルセンターの記事では
イタリア人の実に3割が朝にコーヒーしか飲まないというデータがあると発表していました。
年々朝食抜きの傾向も特に35歳以下に増えているそうで、現代の日本の傾向とも近いかもしれません。
イタリアのドクターはどのような朝食を推奨しているんでしょう?
3パターンに分けて推奨されていたのでそのままご紹介します!
学生・若者向け
コーヒー、スムージーまたはフレッシュジュース。
パンまたはラスク(砂糖なし)にジャムや蜂蜜をつけて。
フルーツ、ヨーグルト、シリアルなど
体力を消耗する労働者向け
カプチーノ、ブリオッシュ(コルネット)、フルーツ500g
必要なエネルギー摂取量に合わせて、
蜂蜜やジャムなどを塗ったパンやラスクなど
シニア向け
学生・若者と同様のものにプラスして、チーズやハムなどを加えるとさらによい。
高齢者には、スイーツ系だけではなく、プロテインが摂取できる食材の推奨もありました。
日本のドクターが推奨するであろうメニューはおそらく和食だと思いますが、それにしてもやはりシンプルと言いますか、随分と違いますね!
バール(カフェテリア)で定番の朝ごはん<カプチーノ&ブリオッシュ>と、家庭で推奨されている朝ごはんはカロリーにも違いがありそうですね。
バールでの朝ごはんは、ご褒美的に時々食べると朝からテンションが上がるので大好きですが、毎日となるとやはり栄養のバランスはいいとは言えません。
イタリアはジャムを使ったケーキなどもあり、自家製のジャムを作るマンマもいらっしゃるのでジャムは砂糖が入っているとしてもフルーツたっぷりなのでヘルシーと認識されているようです。
イタリアのホテルの朝食もグローバル化の傾向が増えている
もしイタリア旅行や出張でいらした際に、ホテルでの朝食に調子抜けした!という方もいらっしゃっるかもしれませんね。
朝食が豊富な日本と比べると随分と貧相に感じられた方も多いと思いますが、そもそもイタリアの朝食がシンプルだったんですね。
5星ホテルはコンチネンタルスタイルが昔から多かったですが、最近は3、4星クラスのホテルもグローバル傾向にあるので観光客の要望に合わせてコンチネンタルスタイルも増加傾向にあります。
ミラノでもバールで朝食セットで、フレッシュジュースとカプチーノとブリオッシュのセットだったり、軽食セットをサービスしているところも出すところも増えてきています。
イタリアにいらしてがっかりされるかもしれない朝食かもしれませんが、その分ランチやディナーをたくさん楽しんでくださいね♪
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いかがでしたか? なぜイタリアの朝食が甘いのか? 少しでも納得いただける内容になっていたら嬉しいです!
イタリアの朝食スタイルは日本のご家庭でも簡単にできるものばかりなので、気分転換にやってみるのもいいかもしれませんね!
この度も最後までお読みいただきありがとうございました!